運命の星にいつか導かれて
浦陸斗くんが好きです。
知っては…いた。
知ってはいたけど、認めてしまえばこんなにも。気持ちは加速するし、びっくりするほど「好き」に重みが出てきた。
思えばハマらないはずがなかった。
一目見て好きだと思った。あ、これヤバいって。
手足の長さを無駄にしない、シャカリキでそれでいて丁寧な芯のあるダンス とニコニコの笑顔。
色んな言い訳をした。
元担を思い出してしまうから……比べちゃいそうだから……応援したいグループがあるから……なんて、
どれも自分にブレーキをかけるための言葉だったんだなって今なら思う。それこそまさに"言い訳"。
興味本位で調べたりした。
学校のテストを頑張っていて成績もいいらしい。
そんな情報を見たとき、本当にやめようこれ以上は近づいちゃいけないって危険信号が鳴ったのを覚えてる。
好みのダンス、好みの表情、好みのカメラアピール。
もう既に三拍子揃っているのに、賢さがプラスされたんならもう太刀打ちできないぞって。
一生懸命、頭の中から存在を追いやって、しばらくの間はいい感じに忘れることが出来ていたと思う。
たまに見つけちゃって騒いだりとかしたけど……
そのままの勢いでISLANDTVのページへ飛んで、ひとこと最後の「浦陸斗」って署名にうなだれたりしたけど……
順調だった。
このときの私は、人間に備わった偉大な能力「忘却」をよく使いこなしていたと思う。
転機は突然訪れる。
嶋﨑、篤志、大内、浦、小柴で投稿された島「アイドルしりとり」。
生憎、この動画自体はきちんと見れていないのだけど、
ギャーギャー騒ぎながらしたスクショをぼんやり眺めていて、
やっぱり浦くんのお顔可愛いなぁと思ったとき、
ふとなんでこの人の担当をしていないんだろうと考え込んだ。
何があったわけでもなく突然に。
そしてあれこれ思いだす。
ダンスが好きだなぁとか、表情が好きだなぁとか、カメラアピールが好きだなぁとか、賢いところが好きだなぁとか。
ジモダンの出演が決まって、応援してくれている皆のことが思い浮かんだというコメントを読んで、浦くんに想われる人が羨ましくなったのも一緒に思い出した。
多分だけどもうこの頃には今まで見て見ぬふりをしてきた、溜め込んだ想いが破裂寸前だったんだろうな。
私はすっかり忘却を使えなくなっていた。
良くも悪くも1人にしか集中できない私は掛け持ちが下手くそで、
それは同じ舞台に好きな人が2人以上いた場合にも顕著に表れる。
22日、つまり私がANOTHERを見る日、そこで全てが決まる予感がしていた。
案の定、私は浦くんしか見れなかった。
本当に案の定。なんとなくそうなるだろうとは思っていたけど、それでもやっぱり困惑はしたし混乱もした。
とっくの昔に心に決めた人がこんなにも頑張っているというのに、その姿を目の当たりにしたというのに、
自分の気持ちを抑えられなかった罪悪感。それを上回る好きの気持ち。
幸せだけじゃない感情に涙が止まらなくて。
帰りの夜行バスで少し落ち着いて、そこでようやく自分の気持ちを認めてあげられたように思う。
浦陸斗くんが好きです。
損得勘定の強い私が、ハッキリと見えるわけではない未来に賭けたいと願ったこと。
先行きの不安感なんて投げ打って、この気持ちだけを信じたいと思えたこと。
まだ知らないことばかりで、それでもどうしようもなく叫びたい。
浦陸斗くんが好きです。
私の全部がいつしかあなたを彩る花束になりますように。そう祈って。